2006年11月29日

ぎお

私が小学生の頃に青い鳥文庫なるものがあったのだけど、今でもあるのだろうか?
我が家にあるのは確か四冊。
『クレヨン王国の十二ヶ月』と同シリーズの『クレヨン王国の花ウサギ』、それから『ボクちゃんがないた日』と『あゆの子アッポ』
後者二冊は弟の本だったのだが、私も何度も読んだ。
そして、なぜか未だに私の本棚にある。

『ボクちゃんがないた日』の舞台は、第二次世界大戦中の日本だ。
主人公の山岸さんは軍用犬協会で働いていて、犬用の餌の配給などをしている。
ある日、そこに吉田さんという男性がやって来て、自分が飼っているシェパードを協会に登録して、餌の配給を受けたいと申し出てきた。
吉田さんは夫婦ともども耳が聞こえず、我が子のように可愛がっている犬 ― 山岸さんはボクちゃんと呼ぶようになる ― が、二人の耳の代わりになっていた。

今でこそ聴導犬がいるけれど、そんな言葉すら存在しない時代の話だ。
だから、ボクちゃんも特別な訓練を受けたわけではなく、吉田さん夫妻が大切に育てた結果、聴導犬のような役割を果たすようになった。
ボクちゃんは彼らにとってなくてはならない存在なわけだが、軍用犬協会に登録している以上、当然、軍用犬として召集される日が訪れる。
一応、試験に合格したらという条件付きだが、ボクちゃんはとても健康だし、頭の良さは折り紙付きだ。
どう見たって、合格して戦場に連れて行かれるに決まってる。
でも、そうなると吉田さん達は暮らしていけなくなるわけで。
山岸さんは何とか召集を免れる手はないかと思い悩むがどうしようもなく、試験当日、吉田さん夫妻は座布団を敷いたリヤカーにボクちゃんを乗せて、試験会場に現れる。

ところで、記事タイトルの「ぎお」とは、吉田さんが生まれて初めて発した言葉で、その頃に可愛がっていた犬の"しろ"のことだ。
周囲には「ぎお」としか聞こえなくても、吉田さんにとっては「しろ」なのだ。
そのことが、ハッピーエンドに繋がる。


この作品、今はもう絶版になってるらしい。図書館にはあるかもしれないが。
戦時下の身障者を描いた話というのは珍しいし、そうでなくても良い話なんで、ぜひご一読を。
問題は、手に入るかどうかなんだけど。BOOKOFFにはないだろうなぁ、きっと。
やはり図書館しかないかもね。
posted by どら at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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